ICTを活用する10の生活シーン

「u-HOUSE研究会」の報告書に掲載されている、ICTを活用した10の生活シーンのイラストを紹介します
この研究会は、平成16年度に、住宅の情報化推進協議会で、
同協会に参加されていた会員の有志により実施されたものです
イラストには、5年から10年後のICTを利用した生活シーンをイメージするコピーライトが添えられています
ここでは、要約したコピーライトを紹介します
現在、やっと実現、または可能性が見えているものが多くあります
【イラストはすべて松井正孝さん】


家族構成

電気執事
    妻と夫:優美さん・喜多州さん(ユビキタス)
    兄弟:遍くんと在くん(遍在)
    お婆ちゃん:網さん(ネットワーク)
コンテクスト(生活者のおかれた環境や状況)をアウエア(把握)し、 生活者が要求する最適な情報やサービスを きめ細かく提供してくれる


  

田舎に住む母親の遠隔診断に自宅で参加




遠隔医療
病院が定期的に行う診断をネットワークを介して遠隔で行ってくれる。母親と医者の診断の状況を、優美さんは自宅のテレビで参加できる。母親と医者との対話を聞きながら、母親の気持や発言内容をサポートし、医者に伝える。


<サポートする技術>
複数の参加者によるテレビ会議システムにより、患者と医者のほかに第3者もリアルタイムに診断に参加する

健康データは個人情報としての取り扱いが重要。
遠隔医療・診断には、技術的なレベルの確保も必要であるが、医療にかかわる制度により規制されるところもある。



バーチャルカンパニーの社長




バーチャルカンパニー
バーチャルカンパニーの社長をしている優美さんは、携帯端末を持参し、2歳の次男の在くんを公園で遊ばせながら、社員の一人から送られてきた企画書を受信し内容をチェックしている。
家に戻って昼食後、在くんが昼寝をしたので、2階の仕事部屋のパソコンで企画書に対する意見を書いている。パソコンの画面で在くんの部屋の映像を小さいサブ画面で5分おきにモニターしている。


<サポートする技術>
モバイルのネットワーク環境が整備され、情報を受信するための端末が必要となる。
仕事部屋で、在くんの就寝中の状況をモニターするためには、映像をサポートするホームネットワークが整備されている


帰宅途中に冷蔵庫の在庫状態を知る




働く女性と情報家電
優美さんは、在くんを施設に預けて、週に一回のオフィスでの会議に出かけた。移動中や会議の合間に携帯電話の画面で、施設における在くんの状況を見る。
帰宅時に今夜のメニューを考えたが、冷蔵庫の中にある野菜の在庫状況がはっきり思い出せない。早速携帯電話で自宅の冷蔵庫にアクセスし、何が不足していたかを確認した。


<サポートする技術>
野菜にはRFIDのタグ(ICタグ)がついており、野菜の品目、産地、生育時のデータ、流通ルート、賞味期限、価格などのデータ記録されている。
優美さんが野菜を冷蔵庫に入れたときに野菜をセンシングし、データ化する。センシングしたデータは、冷蔵庫の端末またはホームサーバーに蓄積に蓄積されている。


自宅で企画会議に参加する




在宅勤務
喜多州さんは週に3〜4回は在宅勤務を行っている。会社のデータベースにアクセスすることにより、自宅では、資料の作成などの作業を行うだけで、作業結果はすべて会社に保管される。
5時より30分間がコアタイム、、会社に在席の人、在宅勤務中の人、外出中の人が顔を見せるテレビ会議に参加する。


<サポートする技術>
ブロードバンドのネットワークと携帯電話のネットワークとの2つのメディアでモバイル環境を実現している。


何時でも何処でも仕事ができる




ホットスポットで仕事
喜多州さんは出張に出かけるときに時間があったので、駅の喫茶コーナーでコーヒーを飲んでいたら携帯端末でメールを受信したので、部下へ伝えることが必要となり、携帯電話をかけた。ここでは自動的に無線LANに接続され、VOIP(インターネット電話)を使って話すことが出来るので、電話代がかからない。


<サポートする技術>
 携帯電話のネットワークとブロードバンドのネットワークの2つのメディア間をハンドオーバーする技術が使われており、2つのメディアを融合して使用する。


メディア間をシームレスにコンテンツを楽しむ




2階でパソコンにテレビを映しながら仕事をしていたら、オリンピックの好きな種目が始まったので、1階のリビングへ降りたら、大型テレビに同じチャンネルの映像が自動的に映し出された。


<サポートする技術>
仕事部屋で何をしていたか、TVのどのチャンネルを見ていたかをシステムが把握、さらに、2階の仕事部屋からリビングへ移動したことをセンシング、仕事部屋のPCとリビングの大型ディスプレイ間をハンドオーバーする技術が使われている。


宅内と車がシームレスな関係に




遠隔リモートコントロール

喜多州さん一家は週末にドライブに出かけた。カーナビは、ドライブの行程に応じてその土地の情報を表示してくれる。
ドライブの帰りに、自宅までの距離が30kmになったところで、カーナビが音声で自宅が近くなったことを知らせてくれたので、助手席の優美さんは、クーラー電源のONと風呂の給湯を指示した。


<サポートする技術>
宅内と車の情報伝達には、携帯電話の通信網とブロードバンドの無線LANを組み合わせて使用されている。車内から宅内のコントロールには、携帯電話の通信網を使用する。


屋外からデータベースにアクセス




ウエアラブルコンピューティング
長男の遍君は、昆虫が大好き。パソコンで調べた情報を携帯端末に移して裏山へ飛び出していった。知らない昆虫を見つけたので、映像と音声(鳴き声)を記録した。インターネットでデータベースへアクセスし、類似検索したら昆虫の名前がわかった。遍君はその場で友人に新しい昆虫を見つけたことを、写真と鳴き声を添えて送ってあげた。


<サポートする技術>
ここで遍君が持ち出した端末には、センサー、メガネ、動画カメラ、音声認識、通信機能を有しており、戸外でもたくさんの機能を発揮できる。遍君の携帯用の端末はウエアラブルと呼ばれる、体に装着する端末である。


快適性を保ちながら省エネを




地域ぐるみで省エネ
喜多州さんは夏休みにホームシアターで高校野球を見ていた。ロボ君がそばに寄って来て、「うちの室温は2度低すぎます。いかがしますか?」と聞いてきた。「温度設定を変えて」といったら、「はい承知」と言ってロボ君は目をしばたいていた。通常ロボ君は音声で知らせるが、火事や水漏れをセンサーでキャッチした時は、警告音を発する。


<サポートする技術>
優美さんと喜多州さんのうちではロボットが活躍している。電力会社からは、この地区の住宅の刻々の平均的室温や電力の使用料などの情報を自宅に提供してくれる。各家庭では、送られてきたデータと自宅の状況を比較して温度設定を変え省エネに貢献する。


ネットを介したコミュニティの形成



e-デモクラシー
優美さんは、会社の手続きに必要な住民票をネットを介して取得し、自宅でプリントアウトしたのち、代金をネットで決済した。

喜多州さんは先日のドライブの時にスピード違反をしたが、インターネットで証拠写真が送られてきて、罰金の請求が来たので、自宅からネット銀行に振り込んだ。

網さんは、区の広報のホームページより、川沿いの市有地を自然のままの現状維持にする事に賛成し、公園に変更する事に反対の投票をした。


<サポートする技術>
ここに示した内容のほとんどが韓国ではすでに実施されている。このような考えが実現するのは、認証システムは重要であるが、技術の問題より、社会的なコンセンサスの問題である。



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