編集後記集
【メルマガIDN 第124号 070601】

ハイビジョンで「ファッション通信」を見る
 「ファッション通信」は地上アナログ放送で、テレビ東京(東京12チャンネル)で1985年より、月曜日の夜放送されていた。資生堂とモード学園の提供。しかし、BS放送がデジタル化され、ハイビジョン放送が始まったあと、2002年からBSジャパン(BS7ch)へ移管されてしまった。地上アナログ放送でもきれいな映像だったが、ハイビジョンで見たいと思っていた。

 我が家のテレビはハイビジョンを映すことの出来るモニターを持っているが、チューナーが備わっていなかった。地上デジタル放送が受信できるようになったのを機会に、DVDレコーダー/プレーヤーを購入してチューナーとして利用、「ファッション通信」をハイビジョンで見ることが出来るようになった。

 今シーズンは、ミラノコレクションの後をうけて、5月5日より4週間にわたって「2007-08秋冬パリレポート」が放映された。
 パリレポートの第1週のトップはシャネル。グランパリを舞台に、カール・ラガーフェルトは純白のランウエイに白い雲を浮かべる舞台をしつらえた。ラガーフェルトの色使いはいつもきれいで、ハイビジョンの画面が冴える。最後は雪が降るシーンにモデル全員が登場し、ラガーフェルトが顔を出して終了。
 ポンピドーセンターを舞台にしたイブ・サンローランが続き、クリスチャン・ディオール、ニナ・リッチ、クロエ、イッセー・ミヤケ、バレンチノ・ガラバーニ、と続いたが、途中に登場した、ヒュージョン・シャラヤンの機械仕掛けのファッションが目を引いた。

 第2週のトップのジャンポール・ゴルチエは、スコットランドのキルトをモチーフにして展開。伝統的なチェックとその色の組み合わせが見慣れているけど新鮮。ルイ・ヴィトンはルーブルの中庭に巨大テントを作り、マーク・ジェイコブスが腕を振るった。

 第3週のトップには、私が最も注目しており大好きなアレキサンダー・マックィーンが登場。彼の表現は大胆で奇抜ともいえるかもしれないが、多くのメゾンとは一味違ったイメージを見せてくれるので楽しみにしている。

 マックィーンは1970年、ロンドンのイーストエンド生まれ。大衆受けはしないけれど、少数ながら熱狂的なファンがいる、というのが定評である。1996年10月、ジョン・ガリアーノの後を受けて「ジバンシー」のチーフ・デザイナーに就任して注目される。創業者との意見の相違などその後のこの世界のいきさつの詳細は知らないが、自身のブランドのコレクションを毎シーズン披露している。

 今シーズンのマックィーンは、大きなコンサートホールを会場に使用。黒い砂が敷き詰められ赤い線で星型が描かれたランウエイが舞台。天井につるされた巨大なピラミッド型のプロジェクターから映される映像によってショウが開始される。ナレーションはいつもの大内順子。

 マックィーンの母方の家系で17世紀に魔女狩りにあった女性を発見、エリザベス・ハウにオマージュを捧げたもの。悪魔の子を身ごもったかと思われる妊婦風のドレスから始まり、マスクと一体化したレザーのコルセットなどを身に着けたトップモデルなどが20人ほど登場する。古代エジプトの壁画で見られるような、眉と目じりに特徴のあるメークが施してある。見とれているうちに2分半ほどでショウは終了。

 マックィーンの後には、エルメス、ランバン、ヨージ・ヤマモトなどが登場し、第4週には、KENZOから開始し、ベストコレクションではジバンシーが登場。ビクター&ロルフの機械仕掛けが目を引き、最後のビビアン・ウエストウットで幕を閉じた。

 「機械仕掛け」に注目しているのは、ITの世界で「ウエアラブル」、すなわちIT機器を身につける、ファッションとITの融合がひとつのトレンドとなっており、世界のトップコレクションにも登場するのではないかと注目しているからである。

 私はブランド志向は全くなく、銀座の並木通りや丸の内仲通りを歩くことがあっても、表から横目でチラッと覗くだけでお店に入ったことはない。「ファッション通信」は非日常の体験として、土曜日の夜11時の定番となっている。
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