編集後記集

■「カメラの世界遺産 ニコンFを使おう」余話
 
メルマガIDN第91号(1月15日)に「カメラの世界遺産 ニコンFを使おう」を書いたら、反応が多く、カメラに思い入れのある人との新しい交流が生まれた。

たくさんのカメラ愛好家たち
カメラ好きの飯塚さん:同第92号(2月1日)のふれあい広場に、飯塚さんのカメラへの思いを掲載した。大阪万博が予定されていたこともあって決心一大決心をして本格的なカメラ「キャノンFT」を新宿西口ヨドバシカメラ(第1号店)で買ったこと、休みの日にはカメラを担いで一人都内の古い建物などを写したこと、6ケ国20日間の旅、シンガポールや中国にも携行した思い出などが書かれている。
 
カメラに凝っていたYさんのお父さんの後日談:学生時代にアルバイトをし、社会人になってからの分も足してコンタックスを購入。お亡くなりになった後、眠っていたカメラを浅草にある古いカメラの修理で有名なお店で写せるようにしてもらったこと、修理代がすごく高かったとのこと。田中長徳著「温故知新のコンタックスG1」より古い時代のシリーズの写真を見てもらったら、そのカメラはコンタックスVであることが判明。機会があったら触らせてもらうことを楽しみにしている。

カメラ収集家の林 佳次郎さん:コンタックスの話題では、林 佳次郎さんが年賀のメールで「コンタックスG2の28ミリ2.8つき」を買ったというニュースもあった。百数十台の収集に、新しいコンタックスの中でも定評のある28ミリレンズつきの新たな1台が追加された。

TM研究会での広がり:1月30日に開催された、科学技術と経済の会のTM研究会で工業製品(家電)の耐久性について話題になり、Iさんより「ニコンFは一度も故障しない」という発言があった。
 TMとは、「テクノロジー マネージメント」の略称。以前に勤めていた会社で、科学技術と経済の会の窓口(「キーマン」と称した)をしていたときに、R&Dの企画や管理を主な仕事をしている人達が集まって研究会を行い、異業種の交流を行う場があった。研究会に集まって有意義に楽しく過ごしている人も、会社で役職が変わると窓口も変更になり、研究会に出席できなくなった。各社のキーマンたちは、せっかく親密になったので、何らかの形で交流を継続できるようにしようとつくったのがTM研究会。年に数回の研究会と懇親会を通して親交を深めることが、リタイヤーした後も継続している。
 TM研究会のあくる日2月1日に、TM研究会のメーリング・リストを利用して、編集後記にニコンFについて書いたことをIさん知らせた。

TM研究会できっかけをつくったIさん:早速Iさんより返事が来た。若いときは、いつも一緒にいたカメラで、国内・海外問わず旅行には常に持って行ったこと、様々なイベントでは大活躍をしたこと、山スキーで転んで岩にぶつけても少しへこんだだけでびくともしなかった時は感動したこと、F100を手にいれこの6年はこれを愛用していたが、これを機会にFも少しは使ってやらねばと思い始めていること、アサヒカメラ(06年1月号)を早速手に入れて読んでみようと思っていること、などが書かれていた。

ニコンOBのNさん:同じ日に、ニコン(株)に勤めていたTM研究会のメンバーの一人であるNさんからメールが来た。メーリング・リストにおける私とIさんの対話が、ニコンに勤めていたものとしてうれしかったこと、本「ニコン党入門」で紹介した3名の方をすべて知っていること、ニコンFを提供したものにとっても伝説に近いカメラになってきており、大切に扱われること(時々は動かされる様)を願うこと、Nさんも入社して1年目にレンズ2本付けてニコンFを購入、初任給の3倍強したこと、などが書かれていた。

Hさんの2つの質問:2月2日にTM研究会のHさんより、メーリング・リストに投稿があった。ニコンF(ボディーは3台)など各機種ともに、ボディーは勿論、望遠・広角などかなりの部品が残っている、昔買った時は、当時の資力から見てかなり高価なこともあり、また製品そのもののデザインのよさと、日本の技術力の塊のように見えて、なかなか手元から離れないまま現在に至っていることが書かれ、昔のカメラの処分法とフィルム生産の持続の見通しについての2つの質問がなされた。

最近のカメラと関連業界の動きは激しい
ニコン:ニコンのフラッグシップカメラ「F6」と写真を勉強する方の入門機として定評のある「FM10」を中心に生産を続けるものの新規開発はやめ、6機種については生産を終える、ニッコールレンズ群40本以上、アクセサリー群については今後とも生産を継続し基本的に本事業を継続する。(06年1月11日と2月3日のニコンのニュース)

コニカミノルタ:カメラ事業については06年3月31日をもって終了し、デジタル一眼レフカメラ関連の一部資産をソニーへ譲渡。カラーフィルム、カラーペーパーについては段階的に品種の絞り込みを進め、06年度下期末までに生産を終了する。(06年1月19日プレスリリース)

キャノン:引き続きフィルムカメラの開発・生産を今後も続ける、発売する機種は減るだろうと表明。(新聞情報 06年1月30日の平成17年12月決算発表のときの田中稔三専務のコメント?)

富士写真フィルム:銀塩写真を中心とした感材写真事業を継続し、更なる写真文化の発展を目指すとともに、写真をご愛顧いただけるお客様、ご販売店様の支援を今後とも続ける(06年1月19日お知らせ)

このような最近のニュースを受けて、私の独断により予測してみる
・カメラは急速にデジタルに移行しつつある。今後デジタル一眼レフのシェアが増大する
・フィルムカメラは、生産と供給量は減少するが、膨大なストックがあるので永久に残る
・ただし、フィルムカメラはプロやマニアの世界に徐々に限られてゆく
・アクセサリーやレンズについてはデジタル一眼レフ用にも兼用される
・レンズについては、兼用されるが適用不十分との意識が浸透してゆく
・銀塩写真は生き残る。プロとマニアと(デジタルに乗れない人)が愛好する
・現在もサービスが受けられる、白黒の銀塩写真についても消滅はしない

Hさんの質問のひとつ、昔のカメラの処分法について
 2月7日の朝日の「ひととき」にある塚本文子さん(69歳)の投書「夫の残したカメラ」を紹介しよう。「銀塩写真には、デジタルに勝る優位さもあり、写真の原点・・・」というリストラを表明したメーカーのコメントに「私もそう思うよ」とその記事に赤線を引いた。相当数のカメラを集め、手入れと称して眺めていた夫が買ってくれた一眼レフを使い続け、「夫の残したカメラを大事に守って行こう」という塚本さんの気持ちは、古いカメラの処分を考えるときに参考になるのではないだろうか。
【生部】

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