「アンドロイドテレビ」が我が家にやってきた
【メルマガIDN編集後記 第371号 171001】


 テレビがどのように進化するかについて、以前より興味を持っていた。『テレビ60年 未来へつなぐ(2):スマートテレビのインパクト』と題して、メルマガIDN(第272号 2013年8月15日)の編集後記に書いた。4年も前のことであるが、当時は「スマートテレビ」と標榜するテレビが脚光を浴びていた。家庭にあるテレビが通信回線につながった時に、従来のテレビがどのように進化し、テレビメーカー、放送事業者、通信事業者、コンテンツの供給者、アップルやグーグルなどの新規参入者がどのようにビジネスとして展開するかを論じた。
 その後、テレビのメーカーは4Kや8Kにビジネスの活路を求め、テレビのスマート化についてはややおろそかになったように私には感じられた。
 最近、我が家のテレビの液晶の衰えが顕著になり、「アンドロイドテレビ」と称する4Kテレビを購入し使い始めた。このテレビは、《より高性能になったテレビを視聴でき、OSにアンドロイドを搭載した大画面のディスプレイを持つタブレット》と言ってよいであろう。
 4年も前に描いたテレビによるサービスがかなり実現され、技術面だけではなく、テレビの利用においてなじみやすい仕掛け(ヒューマンインターフェース)が盛り込まれており、リビングにおけるテレビの視聴のみでなく、情報端末として位置づくことになった。


赤と黒を基調とした色彩の表現
ライプチッヒのトーマス教会での『ロ短調ミサ曲』の演奏
【NHK-BS 2017年9月24日放送のプレミアムシアター】


リモコン(上部)

リモコン(下部)
最上部中央のマイクのボタンを押して音声入力する


ホームボタンを押してホーム画面を開く
アプリの中に「
YouTube」や「Internet Browser」を見る
Wi-Fiの設定などはホーム画面の最下段にある



スクリーンキーボード
Internet Browser」を開いて検索欄に文字入力する
文字入力は慣れないと容易ではない


YouTubeのアプリを開く  左側にメニューが表示される
YouTubeのホームのトップにiOS11の紹介やデモがあった



NHKのハイブリッドキャストのホーム画面(7時のニュースを視聴時)
NHK NEWS WEBを開いてハイブリッドキャストを利用する
スマホの《TV Side View》アプリを立ち上げるとテレビと連携する

4Kによる従来のテレビの高機能化
 4Kテレビは、フルハイビジョンと比較して4倍の画素数(約207万画素から約829万画素に)があり、ディスプレイが大画面になっても画素の粗さが目立つことの少ない高画質でテレビを楽しむことができる。

<4Kアップコンバート>
 あらゆる映像を超解像処理した上で、4K映像に変換。(フルハイビジョン映像を4Kにアップコンバートする超解像エンジン「4K X-Reality PROを搭載」) さらに4K映像に超解像処理を行うことで、高精細でより高品位な映像につくりかえる。テレビ番組やネット動画などで発生しがちなノイズを取り除き、すっきり、滑らかな映像として美しく描きだす。

<瑞々しい質感を表現する色彩>
 高精細(キメ細やかさ)、広色域(色の幅広さ・鮮やかさ)、高輝度・高コントラスト(輝き・自然な黒などの明暗表現)の3要素を向上させる「トリルミナス ディスプレイ」を搭載し、被写体の鮮やかで自然な色を再現し、繊細な色彩の違いを描き分け、色のニュアンスや、人肌の瑞々しい質感を表現する。

テレビのもう一つの顔:大画面のディスプレイを持つタブレット
 放送と通信の融合といわれて久しい。テレビを放送用のアンテナと通信回線をモデムとルーターを介してWi-Fiで接続することで、《OSにアンドロイドを搭載した大画面のディスプレイを持つタブレット》としての、このテレビのもう一つの顔を紹介する。
<ブラウザー>
 このテレビには、タブレットやスマートフォンホと同様にブラウザーが搭載されている。リモコンでGoogleの検索欄にポインターを持っていくと、スクリーンキーボードが表示され、目的とする言葉を入力し、パソコン・タブレット・スマホと同じような検索ができ、インターネットを利用できる。しかし、キーによる文字入力をして利用するのは容易でない。

<音声入力をフルに活用>
 文字入力は容易ではないが、リモコンからの音声入力は格段に良くなっており、日頃スマホで音声入力を使っているのと大差ない。
 リモコンのマイクのボタンを押して話しかけるだけで、YouTubeをはじめ、放送中・放送予定の番組や、録画した番組、さまざまな動画サービスから、見たいコンテンツを探してすぐに再生できる。
 たとえば、「ブラウザー」を表示して、「まきむらみえこのみちづれ」と音声で入力すると、牧村三枝子の「みちづれ」のYouTubeのメニューが表示され、選択した映像を大画面で再生することができた。

<豊富なアプリを活用し楽しむ>
①Android TV アプリ:リモコンの「ホーム画面」ボタンを押すことで、このテレビ用に事前に準備されたコンテンツを楽しむことができる。
 たとえばYouTubeには、音楽・スポーツ・ゲーム・ニュースなどのメニューが準備されており、メニューの中よりコンテンツを選択し決定ボタンを押すと動画が再生される。

②アプリをダウンロードして利用:リモコンのGoogle Playより、動画や音楽、ゲーム、ショッピングなど好きなアプリをダウンロードして利用し楽しむのは、タブレットやスマホと少しも変わらない。

<ハイブリッドキャスト>
 ハイブリッドキャストは、NHKが中心になって開発された、放送と通信の連携による新しいテレビのサービスであり、現在は民放でも提供されている。ハイブリッドキャストの主なものを紹介する。
①放送の内容を補完:視聴しているテレビの画面に、通信回線(インターネット)を介して入手した情報を表示し、放送の内容を補完する。(dボタンを押して表示される情報は主に放送波による)

②セカンドスクリーン:対応番組の視聴中に、テレビと連携してネットを介して番組の進行に合わせて提供される情報をタブレットやスマホで取得する。(ソニーの場合は《TV Side View》アプリをセカンドスクリーン(iPadやiPhone)にインストールしている)

③双方向番組への参加:クイズやアンケートに答える

<Chromecast built-in>
 このテレビにはChromecastがビルトインされており、スマホでYouTubeなどのアプリで視聴したい動画を選定し、キャストボタンを押すと、テレビの大画面に指定した動画を映すことができる。また、一時停止や再生もスマホから操作できる。

エピローグ
 最近使い始めた「アンドロイドテレビ」についてごく簡単に紹介したが、インターフェースとしてのリモコンによる音声入力が、このテレビをユーザーフレンドリーにしている革新的な要素だと思う。
 「アンドロイドテレビ」は、家庭における大画面を持つ情報端末として、タブレットやスマホの代わりになりうる。また、タブレットやスマホをセカンドスクリーンとして使用することにより、テレビの画面の背後にあるコンテンツや情報を得て、密度の高いテレビの視聴が可能になる。

 「そんなにテレビを見るの?」と言われそうである。ケーブルテレビにより多数のチャンネルを、通信回線(インターネット)を介してたくさんのコンテンツを「アンドロイドテレビ」により視聴することができるが、テレビの前に長時間座っていることは考えられない。
 しかし、安倍首相が衆議院の解散を宣言し、その前の時間帯に小池都知事が新党の立ち上げの会見をした日の遅く、電車のシートで7人目の「スマホマン」になるのを避けて、家に帰ってテレビをオン、リモコンのホームボタンを押し、ユーチューブのニュースを開くと、両者の会見の模様を、ニュースの時間を待たずに大型画面で見ることができるのは、便利だと思った。

 テレビはこれまで誰もが最も親しんできた家電のひとつ。進化したテレビはリビングですべての人が、また、シニアがインターネットを活用するための良きパートナーになることを期待したい。【生部 圭助】

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