龍の謂れとかたち
カルパッチオの《竜と闘う聖ゲオルギウス》

ヴィットーレ・カルパッチョ(Vittore Carpaccio, 1460/65-1525/26)
ヴェネツィア初期ルネサンスを代表する物語画の名手
ヴェネツィア派の最も優れたナラティヴ画家と評価されている
その画風は、精密な建築描写、明快な遠近法、鮮やかな色彩
そしてヴェネツィアの都市生活を生き生きと描く叙述性に特徴がある
大規模な都市景観と群衆描写は同時代の画家の中でも際立つ

作品の説明
作:1502-07年(1058年、1510-11年の諸説がある)
カンバス・油彩
サイズ:141x360cm
所在:ヴェネツィア サン・ジョルジョ・デッリ・スキアヴォーニ同信会館

王女を救うため、中世騎士の姿をしたゲオルギウスが竜と戦う伝説的な場面を描いている
本作は単体で完結する絵画ではなく
『聖ゲオルギウスの勝利』や『セレニティ住民の洗礼』などを含む全9点の
聖人伝連作の一部として制作された

聖ゲオルギウスの竜退治 聖人伝「黄金伝説」
聖ゲオルギウスの物語にもいくつかのお話がある
いずれも
ドラゴンに襲われる町
生贄にされそうになった王女
白い馬に乗った若者・聖ゲオルギウス
ドラゴン退治
異教徒の改宗

などがモチーフとなっている

物語の詳細はこちらでご覧ください

作品の特徴
ゲオルギウスは中世騎士の装いで馬上にある
長槍で竜の口に突き刺し、伝承にしたがって槍の先が折れている
長槍で竜の口に突き刺し、伝承にしたがって槍の先が折れている
この後、ゲオルギウスは剣を抜く
馬は通常、純潔を象徴する白馬だが、ここでは栗毛で描かれている
竜は翼と鱗を持つ世に言う典型的な姿で、先が細くなった尾がとぐろを巻いている
右には勝利を祈って合掌する王女
大規模な都市景観や背景の海に船も描かれている


竜と闘う聖ゲオルギウス
【写真の出典:『体系世界の美術11  ロマネスク』 図版56】



聖ゲオルギウスに退治される竜

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