龍の謂れとかたち


謂れかたち

盤龍鏡(東京国立博物館)

唐時代 8世紀 重要文化財
白銅製鋳造
N73

東京国立博物館の平成館1階の考古展示室で《日本の考古》開催されている
ここでは考古遺物で、石器時代から近代までの日本の歴史を紹介している
縄文時代の火焔土器や、弥生時代の銅鐸、古墳時代の埴輪などが展示してあり
その中に古墳時代の「鏡」が大量に展示されている
 《鏡》の名称に龍が使われているものがある
開催されている《日本の考古》と同時期に法隆寺宝物館に展示してあった鏡を紹介する

盤龍鏡について
一匹の龍が鈕の回りに体をうねらせている
鈕(ちゅう)を玉に見立てているかのように、振り返ってかっと口を開き
鋭い三爪の爪を見せ、鱗に覆われた全身はいかにも躍動感に満ち溢れている
頭上の二本の角、首から背中に続く鬣(たてがみ)、高く跳ね上げた後ろ足に巻き付いた尾の表現
いかにも威厳に満ちた 龍の表現にふさわしいものである
「新唐書・地理志」によると、唐代に貢納品として鏡を献上していた地区は江蘇省揚州と山西省 并州の二か所
揚州から献上品に盤龍文の鏡が見える
玄宗皇帝がこれを珍重したことが文献に記されており、白居易も「新楽府・百煉鏡」でその輝きを称えている
この盤龍文鏡の・鏡には、外区に「千秋」の銘を持つ例が多く認められる
玄宗皇帝の誕生日(千秋節)に四品以上の臣下に下賜した鏡は龍鏡であった事が知られており
まさしくこの形式の鏡に相当しよう
【盤龍鏡の説明は村上開明堂《中国古鏡展》より 】


盤龍鏡


龍の頭部と鈕(ちゅう)

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