謂れとかたち
堆黄 龍堆黄盆 (東京国立博物館)

龍堆黄盆(りゅうついおうぼん)は、東京国立博物館の工芸  特集陳列「中国漆工」にあった
【09/09/30に撮影】

「中国漆工」では、中国漆工の多様な様相を展示してあった
中国漆工には、彫漆(ちょうしつ)・螺鈿(らでん)・存星(ぞんせい)・漆絵(うるしえ)・鎗金(そうきん)といった技法がある
これによって花鳥・楼閣人物・屈輪(ぐり)などの文様を表わす

彫漆
漆は受益であり、塗り重ねると厚みが出ます
その漆の特性を生かし、厚い漆の層をつくり、文様を彫刻する技法を彫漆と言います
朱漆のものを堆朱(中国では剔紅 てっこう)
黒漆のものを堆黒(中国では剔黒 てっこく)
複数の色素を用いると彫彩漆(ちょうさいしつ)
と呼んでいます
【東洋館での展示の説明 2017年9月】

龍堆黄盆
東京国立博物館の龍文様の堆黄盆は堆黄の最も古い作例として有名
際立った栄えを見せる万暦期彫漆の中でも屈指の作品の一つ

法量:径22.0 高2.4
登録:TH382
「大明萬暦己丑年製」銘
明時代・万暦17年(1589)



龍堆黄盆(りゅうついおうぼん) 法量:径22.0 高2.4



龍の詳細

龍の全体および顔の文様
龍の文様は、皇帝や妃の衣裳に使われている文様《Dragon roundel 》によく似ている

彫漆
彫漆は主に堆朱・堆黒の通称
朱漆を数十回〜数百回余り塗り重ねて、彫刻したものを堆朱・堆朱彫りと呼ばれている
朱漆の代りに黒又は黄色を塗り彫刻したものを堆黒・堆黄と言う
その他に、紅花緑葉等がある

蟹仙洞蔵の龍文様の堆黄盆も最も古い作例として有名

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